2011年03月03日
身内が亡くなられたら
確定申告も後半に入ってきましたが、会計事務所の仕事はもちろん所得税や消費税だけではありません。
この時期だろうが何であろうがお客様にとっては関係有りませんので様々な仕事が入ってきます。
先日は、かなり高齢の方より相続に関するご相談をお受けしました。
どすごいブログを見ていらっしゃる方々にも関係のあるお話なのでご紹介したいと思います。
その方(以下、Aさん)は10年ほど前に奥様を亡くされましたが、子どもさんはいらっしゃらなくて、奥様が亡くなられた後で養子さんをとられています。
奥様が亡くなられたとき、死亡届などの手続きはしたそうですが、相続税がかかるほどの財産がなかった(亡くなる何年か前にAさんの相続対策で自宅の名義を一部奥様にしていたことによるその自宅の持分のみ)とのことで、ご自宅の一部名義が奥様になられていた部分についても名義変更をしていませんでした。
そのため、いまだに奥様名義で固定資産税の納付書が市役所から届いており、納税をしているんですが、Aさんがご自分の相続を考えるようになり、養子さんの為にも名義等をキチンとしておきたい、とのことでご相談に来られたわけです。
相続があったとしても、登記をすると登録免許税がかかるので、不動産の名義変更(相続登記)をしないことはよくあるお話です。
しかし,相続登記をせずに放っておくと実は恐ろしい事態を招きかねないのもまた事実なのです。
では具体的に何が問題になるのでしょう。
この事例で一番注意しなくてはいけないのは、奥様が亡くなられたときにはまだ養子さんをとっておらず、Aさん夫婦にお子さんがいらっしゃらなかったことです。
お子さんがいらっしゃる場合には、奥さんの相続人は「旦那さん」と「お子さん」なので、いわゆる「家族」内で話がおさまります。
兄弟や親子で骨肉の争いになることも無いとは言えませんが、勝手知ったる家族です。骨肉の争いになったとしても、今までの家族のあり方の付けが自分にまわってきたと考えれば仕方のないことなのかもしれません。
しかし、今回の事例ではお子さんがいらっしゃらなかったので、奥様の相続人は「Aさん」と「奥様のご兄弟」になるんです(奥様のご両親は既に亡くなられていましたので)。
法定相続分はAさん3/4、ご兄弟全員で1/4。
相続登記をするには「遺産分割協議書」なるものを作成しなければならず、それに相続人全員の実印をもらわなければなりません。
自分の家族だけならともかく、奥さんの兄弟ともなると関係が薄い方もみえるでしょう。
もともと奥さんの不動産はAさんのものだからといって奥様の相続はAさん1人でする事に納得してもらえないかもしれないのです。
さらに!
奥様のご兄弟が亡くなられていたときはさらに問題です。
奥様が高齢で亡くなられた場合にはご兄弟が亡くなられている場合も珍しくないと思われます。
この場合、そのご兄弟にお子さんがいらっしゃる場合にはそのお子さんが相続人になってくるんですが、そのご兄弟が子だくさんだった場合には相続人がどんどん増えていくのです。
もちろんこのような場合でも遺産分割協議書に相続人全員の実印をもらわなければいけませんので遺産分割協議書の作成だけでもかなりの労力を必要とします。
このように、相続税は自分には関係ないし、手続きも面倒、登記費用ももったいない、と考えていた結果恐ろしい事態を招きかねません。
身内が亡くなられたら司法書士事務所や会計事務所に一度は相談されることをオススメします。
ちなみに、
Aさんのところは、AさんとAさんの奥様のご兄弟やそのお子さん達とは日頃からかなり親しくされていて、何の問題もなく無事相続登記ができそうです。
やはり日頃の行いは回りまわって自分にかえってくるのですね。
相続のご相談から人生を学ばさせていただきました。
この時期だろうが何であろうがお客様にとっては関係有りませんので様々な仕事が入ってきます。
先日は、かなり高齢の方より相続に関するご相談をお受けしました。
どすごいブログを見ていらっしゃる方々にも関係のあるお話なのでご紹介したいと思います。
その方(以下、Aさん)は10年ほど前に奥様を亡くされましたが、子どもさんはいらっしゃらなくて、奥様が亡くなられた後で養子さんをとられています。
奥様が亡くなられたとき、死亡届などの手続きはしたそうですが、相続税がかかるほどの財産がなかった(亡くなる何年か前にAさんの相続対策で自宅の名義を一部奥様にしていたことによるその自宅の持分のみ)とのことで、ご自宅の一部名義が奥様になられていた部分についても名義変更をしていませんでした。
そのため、いまだに奥様名義で固定資産税の納付書が市役所から届いており、納税をしているんですが、Aさんがご自分の相続を考えるようになり、養子さんの為にも名義等をキチンとしておきたい、とのことでご相談に来られたわけです。
相続があったとしても、登記をすると登録免許税がかかるので、不動産の名義変更(相続登記)をしないことはよくあるお話です。
しかし,相続登記をせずに放っておくと実は恐ろしい事態を招きかねないのもまた事実なのです。
では具体的に何が問題になるのでしょう。
この事例で一番注意しなくてはいけないのは、奥様が亡くなられたときにはまだ養子さんをとっておらず、Aさん夫婦にお子さんがいらっしゃらなかったことです。
お子さんがいらっしゃる場合には、奥さんの相続人は「旦那さん」と「お子さん」なので、いわゆる「家族」内で話がおさまります。
兄弟や親子で骨肉の争いになることも無いとは言えませんが、勝手知ったる家族です。骨肉の争いになったとしても、今までの家族のあり方の付けが自分にまわってきたと考えれば仕方のないことなのかもしれません。
しかし、今回の事例ではお子さんがいらっしゃらなかったので、奥様の相続人は「Aさん」と「奥様のご兄弟」になるんです(奥様のご両親は既に亡くなられていましたので)。
法定相続分はAさん3/4、ご兄弟全員で1/4。
相続登記をするには「遺産分割協議書」なるものを作成しなければならず、それに相続人全員の実印をもらわなければなりません。
自分の家族だけならともかく、奥さんの兄弟ともなると関係が薄い方もみえるでしょう。
もともと奥さんの不動産はAさんのものだからといって奥様の相続はAさん1人でする事に納得してもらえないかもしれないのです。
さらに!
奥様のご兄弟が亡くなられていたときはさらに問題です。
奥様が高齢で亡くなられた場合にはご兄弟が亡くなられている場合も珍しくないと思われます。
この場合、そのご兄弟にお子さんがいらっしゃる場合にはそのお子さんが相続人になってくるんですが、そのご兄弟が子だくさんだった場合には相続人がどんどん増えていくのです。
もちろんこのような場合でも遺産分割協議書に相続人全員の実印をもらわなければいけませんので遺産分割協議書の作成だけでもかなりの労力を必要とします。
このように、相続税は自分には関係ないし、手続きも面倒、登記費用ももったいない、と考えていた結果恐ろしい事態を招きかねません。
身内が亡くなられたら司法書士事務所や会計事務所に一度は相談されることをオススメします。
ちなみに、
Aさんのところは、AさんとAさんの奥様のご兄弟やそのお子さん達とは日頃からかなり親しくされていて、何の問題もなく無事相続登記ができそうです。
やはり日頃の行いは回りまわって自分にかえってくるのですね。
相続のご相談から人生を学ばさせていただきました。