2011年05月06日
震災美談が仇となる!?

私は経済学部でしたので、当然、「経済学」なるものを大学時代に学んだのですが、肌に合わないながらもオモシロイものがいくつかあって、今でも覚えているものの中に
「合成の誤謬(ゴビュウ)」と「囚人のジレンマ」の2つがあります。
この2つは心理学に通ずるものがあって、現実の生活にも多く見られるので少しご紹介したいと思います。
簡単に言うと
「合成の誤謬」は正しい行動の集合が必ずしも正しい結果を招かないことをいい、「囚人のジレンマ」は疑心暗鬼や自己中心的な行動がかえって最悪の結果を招くことをいいます。(詳しくはWikipediaでどうぞ)
現実の生活にあてはめてみましょう!
今日はまず、「合成の誤謬」から。
つい先日、中日新聞の朝刊に「震災美談」が紹介されている記事がありました。
まだ小さい男の子が、お菓子を買うためレジに並んでいたが、並んでいるときにレジ横の募金箱を見つけ、お菓子と募金箱を交互に見たあげく、お菓子を棚に返し、お金を募金箱に入れて帰った、というものでした。
このこと自体、素晴しい心を持った子であるし、確かにこころ暖まる話です。
しかし、みんながみんな同じ行動をすればどうなるでしょう。
消費は落ち込み、それにより企業が倒産、ひいては国が衰退していくのです。
今日、帝国データバンクからあった「東日本大震災関連倒産」の動向調査報告によると、今回の震災による直接、間接の影響を受けての「東日本大震災関連倒産」が急増しており、このうち、「消費自粛のあおり」を受けた倒産が20社(30.3%)で最も多いというのです。
http://www.tdb.co.jp/report/watching/press/p110501.html
善意が仇となることもある。
悲しいですけど「現実」なんです。
では明日の「囚人のジレンマ」でお会いしましょう(笑)!