2012年12月28日
親の個人事業の事業を継ぐ~そのときあなたは~
もうすぐ今年も終わりますが、先日あるお客様からお電話をいただきました。
「突然だけど、今年いっぱいで事業を息子に引き継ごうと思う。」
と。
個人事業の事業承継の時期としては、所得税が暦年課税となっている関係で12/31がいいといわれますので、時期としてはいいと思います、とお伝えすると同時に、いくつかのポイントをお話しさせていただきました。
①個人事業の承継は法人の承継と異なり旧事業者(以下、親とする)の「廃業」と新事業者(以下、子とする)の「開業」を意味します。
つまり税務署に対する各種届出として
親は
「個人事業の廃業届出書」・・・廃業の事実があった日から1月以内
「青色申告の取りやめ届出書」・・・青色申告を取りやめようとする年の翌年3/15まで
「給与支払事務所等の廃止の届出書」・・・廃止の事実があった日から1か月以内
「事業廃止届出書」(消費税の課税事業者の方等で、廃止事業の他に課税売上にあたる所得のない場合)・・・速やかに
等の届出が必要となり、
子は
「個人事業の開業届出書」・・・事業開始の事実があった日から1月以内
「所得税の青色申告承認申請書」・・・原則、承認を受けようとする年の3/15まで(その年の1/16以後に開業した場合には、開業の日から2か月以内)
「給与支払事務所等の開設の届出書」・・・開設の日から1か月以内
「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書兼納期の特例適用者に係る納期限の特例に関する届出書」・・・随時(申請書を提出した月の翌月末までに通知がなければ、申請の翌々月の納付分からこの特例が適用されます。)
「青色事業専従者給与に関する届出書」・・・青色事業専従者給与額を必要経費に算入しようとする年の3/15まで(その年の1/16以後開業した場合や新たに事業専従者を有することとなった場合には、その日から2か月以内) また、青色事業専従者給与の額等を変更する場合には、遅滞なく
等の届出が必要となります。
②資産・負債の引き継ぎ
親から子へ、現預金・売掛金・備品等の資産と、買掛金・未払金・借入金等の負債を無償で引き継ぐ場合、資産と負債が同額なら問題ありませんが、資産と負債の額が異なる場合は、贈与税の課税問題が生じます。
ではどうすればいいのか。
承継の方法としては贈与の他に譲渡、賃貸借、使用貸借がありますので各メリット、デメリットをご紹介したいと思います。
~贈与~
メリット
・親に課税関係が生じない。
・子は自分の資産となり減価償却もできる
デメリット
・親に現金が入ってこない。
・子に贈与税が課税される。
~譲渡~
メリット
・原則的方法であり明解。
・親は退職金代わりに子から現金を受けとることが出来る。
・子は減価償却することができる。
デメリット
・場合によっては親に譲渡所得が課税される。
・売却価額の見積もりが困難なこともある。
・親が消費税課税事業者の場合売却年に納める消費税が増える
・子は購入に際し多額の資金が必要となる。
~賃貸借~
メリット
・親は定期的に子から現金を受け取ることが出来る。
・子は減価償却できないものの賃借料が経費になる
・子は購入に比べ一時的に多額の資金を用意する必要がない
デメリット
・親に事業所得、不動産所得、雑所得等の所得税が課せられ申告の義務が継続してしまう。
・子は親への支払に資金が必要となる
*親と子の生計が同一の場合*
親は賃借料を受け取っても、所得はないものとして取り扱い、子は今まで親が償却してきた通り減価償却費を計上する。もちろん、この場合賃借料は経費になりません。
~使用貸借(無償の貸し借り)~
メリット
・親に課税関係が生じない。
・子は親への支払がなく資金繰りが楽になる。
デメリット
・親はお金が入ってこない。
・子にとっては当たり前だが、減価償却費としても賃借料としても経費にできない。
*親と子の生計が同一の場合*
親に課税関係は生じず、子は今まで親が償却してきた通り減価償却ができる。
事業主の方に応じて「最適」はさまざまだと思われます。
③消費税について
今回は現事業者が亡くなられる前の承継ですので、消費税については最初の2年間免税となります(課税事業者を選択することは可能。下記(注)参照)ので子は特段手続きを必要としませんが、相続により事業を承継するときは、原則として、亡くなられた方が消費税を払っている事業者の場合(課税事業者の場合)、事業承継者も消費税を払うことになります。
(注)
事業を承継した年に多額の設備投資が予想され、消費税の還付を受けられる見込みがあるような場合は、「消費税課税事業者選択届出書」の提出を検討する余地があります。
ただし、この場合においても3年間は免税事業者になることや簡易課税制度を適用することができなくなりますので、注意が必要です。
以上、長くなりましたが、この文章をもちまして2012年の仕事納めにしたいと思います(笑)。
もうこんな時間なんだ・・・
「突然だけど、今年いっぱいで事業を息子に引き継ごうと思う。」
と。
個人事業の事業承継の時期としては、所得税が暦年課税となっている関係で12/31がいいといわれますので、時期としてはいいと思います、とお伝えすると同時に、いくつかのポイントをお話しさせていただきました。
①個人事業の承継は法人の承継と異なり旧事業者(以下、親とする)の「廃業」と新事業者(以下、子とする)の「開業」を意味します。
つまり税務署に対する各種届出として
親は
「個人事業の廃業届出書」・・・廃業の事実があった日から1月以内
「青色申告の取りやめ届出書」・・・青色申告を取りやめようとする年の翌年3/15まで
「給与支払事務所等の廃止の届出書」・・・廃止の事実があった日から1か月以内
「事業廃止届出書」(消費税の課税事業者の方等で、廃止事業の他に課税売上にあたる所得のない場合)・・・速やかに
等の届出が必要となり、
子は
「個人事業の開業届出書」・・・事業開始の事実があった日から1月以内
「所得税の青色申告承認申請書」・・・原則、承認を受けようとする年の3/15まで(その年の1/16以後に開業した場合には、開業の日から2か月以内)
「給与支払事務所等の開設の届出書」・・・開設の日から1か月以内
「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書兼納期の特例適用者に係る納期限の特例に関する届出書」・・・随時(申請書を提出した月の翌月末までに通知がなければ、申請の翌々月の納付分からこの特例が適用されます。)
「青色事業専従者給与に関する届出書」・・・青色事業専従者給与額を必要経費に算入しようとする年の3/15まで(その年の1/16以後開業した場合や新たに事業専従者を有することとなった場合には、その日から2か月以内) また、青色事業専従者給与の額等を変更する場合には、遅滞なく
等の届出が必要となります。
②資産・負債の引き継ぎ
親から子へ、現預金・売掛金・備品等の資産と、買掛金・未払金・借入金等の負債を無償で引き継ぐ場合、資産と負債が同額なら問題ありませんが、資産と負債の額が異なる場合は、贈与税の課税問題が生じます。
ではどうすればいいのか。
承継の方法としては贈与の他に譲渡、賃貸借、使用貸借がありますので各メリット、デメリットをご紹介したいと思います。
~贈与~
メリット
・親に課税関係が生じない。
・子は自分の資産となり減価償却もできる
デメリット
・親に現金が入ってこない。
・子に贈与税が課税される。
~譲渡~
メリット
・原則的方法であり明解。
・親は退職金代わりに子から現金を受けとることが出来る。
・子は減価償却することができる。
デメリット
・場合によっては親に譲渡所得が課税される。
・売却価額の見積もりが困難なこともある。
・親が消費税課税事業者の場合売却年に納める消費税が増える
・子は購入に際し多額の資金が必要となる。
~賃貸借~
メリット
・親は定期的に子から現金を受け取ることが出来る。
・子は減価償却できないものの賃借料が経費になる
・子は購入に比べ一時的に多額の資金を用意する必要がない
デメリット
・親に事業所得、不動産所得、雑所得等の所得税が課せられ申告の義務が継続してしまう。
・子は親への支払に資金が必要となる
*親と子の生計が同一の場合*
親は賃借料を受け取っても、所得はないものとして取り扱い、子は今まで親が償却してきた通り減価償却費を計上する。もちろん、この場合賃借料は経費になりません。
~使用貸借(無償の貸し借り)~
メリット
・親に課税関係が生じない。
・子は親への支払がなく資金繰りが楽になる。
デメリット
・親はお金が入ってこない。
・子にとっては当たり前だが、減価償却費としても賃借料としても経費にできない。
*親と子の生計が同一の場合*
親に課税関係は生じず、子は今まで親が償却してきた通り減価償却ができる。
事業主の方に応じて「最適」はさまざまだと思われます。
③消費税について
今回は現事業者が亡くなられる前の承継ですので、消費税については最初の2年間免税となります(課税事業者を選択することは可能。下記(注)参照)ので子は特段手続きを必要としませんが、相続により事業を承継するときは、原則として、亡くなられた方が消費税を払っている事業者の場合(課税事業者の場合)、事業承継者も消費税を払うことになります。
(注)
事業を承継した年に多額の設備投資が予想され、消費税の還付を受けられる見込みがあるような場合は、「消費税課税事業者選択届出書」の提出を検討する余地があります。
ただし、この場合においても3年間は免税事業者になることや簡易課税制度を適用することができなくなりますので、注意が必要です。
以上、長くなりましたが、この文章をもちまして2012年の仕事納めにしたいと思います(笑)。
もうこんな時間なんだ・・・

2012年12月28日
ユニクロも最初は

今や
世界のユニクロ
も、当たり前ですけど、最初はどこにでもあるような
洋服屋さん
だったんですよね。
トップの明確なビジョン
と
経営改革
によって企業は変わることが出来る。
最初にこの本を読んだとき、そんな希望ともいえる「光」が見えた気がしました。
会計的思考と知識はやっぱり企業経営や経営改革に不可欠なものなんだという再認識とともに。
最初に買った本は古本屋に売ってしまっていたんですが(笑)、先日、偶然Amazonでこの本の画像を見つけ、懐かしさと78円という値段につられ再購入。
やっぱり、この本は読むと活力をもらえます。
私は今日が仕事納め。
正月休み中もいい本に出会えるといいなぁ。